元Spacemen 3のSonic Boom率いるSpectrumのデビューアルバム。
1992年6月15日リリース。
あまりの心地よさにいつの間にか寝息を立ててしまうかもしれない音。
違う場所へ行きたい、心を落ち着かせたい時、この音のドラッグは間違いなく有効。
デビューシングルである”How You Satisfy Me ”でアルバムは幕を開ける。
ノイジーでポップなリフが繰り返されるアップテンポな高揚感と多幸感サイケデリア。
”How You Satisfy Me ”はライブでは定番の代表曲。
この曲のビデオクリップでSonicは愛用のVox Starstreamを弾き、閃光を発しながら歌い上げる。
続く”Lord I Don't Even Know My Name ”からは優しげな電子音響が終わりまで続く。
一気に空間を埋め尽くすキラキラしたサウンドの残響に眠気はマックスになります。
最後までジッと聴けるでしょうか。
その後の音響実験ユニットE.A.R.結成に繋がるラスト”Phase Me Out (Gently)”が終わった時、寝ているか、眩い光景が万華鏡のように眼前を浮遊してることでしょう。
メンバーはSonic Boom(Vo&G.Syn.etc...)Richard Formby(G
.Syn)Mike Stout(B)の3人にサポートドラムにGeoff Donkinを加えた。他にゲストを何人か入れ製作された。
「今作は今までの10年間やってきたことの延長線上にあると思う。スペースメン3、ソロアルバムSPECTRUM、そしてこのアルバムと自然な感じで変化してこれたと思う。このアルバムは、ムードミュージックというかクラッシック音楽に近いね。そしてこれは、あることについての作品だ。あることと言うのは、違ったレベル、型、表れ方の愛のことさ。そしてこれは、僕が16の時からやってきたことの進化を表している。僕が音楽を作る時には、そこにムードとフィーリングをぶちこむんだ。そうすればその音楽を聴くことによって、ドラッグをやらずに、愛することもせずに、自殺だってしないで、そのフィーリングを経験することができるんだ。そして反復はドラッグを使わずに意識のレベルを変えるもっとも適当な手段なんだよ」とSonic Boomは語る。
本作のリリース後、SonicはE.A.R.を立ち上げ、より深い世界へ音の探求をしていくことになる。本作はSpectrum / E.A.R. 両方の素晴らしい面をまとめており、Sonicサウンドの到達点ともいうべき最高傑作。
※余談ですが、CD、LP共に初回5千枚は異様なパッケージで出荷され関係者は度肝を抜いた。
クリアケースに青?色の液体が入ってメンバーがあたかも漂っているようなジャケだった。 国内盤はBMGビクターから10月21日リリース。国内盤帯には「光と影の音」と書かれていた。