ジャーニーやTOTOと並び,80年代前半のロック・シーンを賑わしたフォリナー。その代表作と言えば,81年の『4』。ここで頂点を極めるも,以後は下降線をたどり・・・というのが,残念ではありますが,一般的な見方だと思います。 で,その分岐点となったと思われるのが,85年にリリースされた本作。 アルバムの冒頭を飾るのは「Tooth and Nail」。アグレッシブで挑発的なギターと,ソリッドなシンセが融合したへヴィでタフなアップテンポ。テンションが上がるカッコ良いナンバーです。続く「That Was Yesterday」は,前作『4』の「Girl On The Moon」を思わせる幻想的で愁いを帯びたメロディーが琴線に触れるミッドテンポ。伸びやかなヴォーカルもイイです。そして,「I Want to Know What Love Is」。物憂げで内省的なヴァースから,月夜を思わせる幻想的なブリッジを経て,ゴスペル風の温もりのあるコーラスを従えた,ソウルフルなサビへと展開する感動的なバラードで,全米1位を記録しました。 この序盤3曲は,前作『4』を再現したかのような素晴らしい出来なのですが,ここからが今一つ乗り切れないというか,モヤモヤ感が残ります。あくまで個人的な感想ですが。 劇的なサウンドで幕を開ける「A Love In Vain」,ドライブ感のあるタイトなギター・リフで突っ走る痛快なアップテンポ「She's Too Tough」,どこか陰のあるメロディーからルーのシャウトとともに豪快なサビを展開する「Growing up the Hard Way」あたりがイイ感じではあるのですが,前作『4』では5曲ものシングル・カットに,他の曲も粒ぞろいでしたから,そこを基準にしてしまっているせいか,何かもうひとつグッと来るものがないような・・・。 前作の大ヒット(全米チャートで10週連続1位,1,500万枚を超える空前のベストセラー)は,アーティストにとっても重圧になったでしょうし,ファンの方も次作に対する期待が高くなりすぎてしまったこともあるのかもしれません。3年半という期間が空いてしまったことも不運だったように思います。 ただ,痛快なハードR&Rに,ブルージーで陰のあるミッドテンポ/バラード,そして,ルー・グラムのソウルフルでタフな歌声という唯一無二のフォリナー・サウンドは不変。そういう意味では,前作同様にファンにとっては忘れがたい1枚です。
『4』から3年ぶりに発表されたFOREIGNERの5枚目のアルバム。1984年作品。 収録曲のほとんどが完全にAOR。 その中でもバラード曲"I Want to Know What Love Is"は大ヒット。 LPでいうとA面最初の曲"Tooth and Nail"と最後の曲"Reaction to Action"、B面最後の曲"She's Too Tough" は、ハード・ロック。ただ、だいぶシンセサイザーで装飾された音なので、ハード・ロックとして聴くとちょっと装飾過剰に思えてしまいます。 ヒット曲も含めて、曲のイメージは全体的に地味で、あまり自分の心には残らない曲ばかりでしたね。
troppo commerciale , viva il commerciale , anche perché in barba ai soliti criticoni , con questo disco i nostri si sono assicurati milioncini di dollari