アレンジャーとしてのギル・エバンスを味わう上で、聴いて楽しく、アレンジャーの腕にも触れられると
言う点でジャズ入門者に適したアルバムだと思います。聴きやすいがために評価が真っ二つに分かれて
いますが、ザ・マンデイ・ナイト・オーケストラの演奏は秀逸であるため購入して損は無いと考えます。

なおこのアルバムはHDCD盤を持っていましたが、HDCDデコード機能の付いたCDプレーヤーを手放して
しまったため単なる普通のCDとなってしまい、買い替えに至りました。ちなみにHDCDとは20bit4倍
オーバーサンプリングのデータを16bitに丸める際に特殊な処理を施し、HDCDデコーダーによって原音
に近づくよう復元する技術です。結局日本では余り普及しませんでした。

今回購入したのは24bitデジタル・リマスタリングのSHM-CD（WPCR-29039）です。HDCD盤と比較
してみると、音質面で大きな違いが出ました。それは豊かな低音。オーケストラの楽器としてチューバ
が登場するのですが、この音がとても自然で円やかです。勿論ベースの音質も申し分ありません。また
ギターやサックスがソロを取っている部分では、楽器の背後にある空間の広がりが自然な残響音によって
認識できるため、思わずニヤリとしてしまいます。

アルバムタイトルの「SVENGALI」はGIL EVANSのアナグラム（文字を入れ替える言葉遊び）ですが、
「トリルビー」と言う小説に登場する悪者の催眠術師の名前でもあるそうです。考案者はジェリー・
マリガンとのこと。面白いタイトルを思い付いたものです。

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uptail

Svengali 1973

2011年7月1日に日本でレビュー済み

"Blues In Orbit"
"Eleven"
が◎。

リマスター→良好

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enos

ギル・エヴァンスの傑作ライブ

2014年2月15日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

エレキ時代に入ってからのギルの最初のライブ録音でしょうか？
まだシンセなんかもアナログのものを使っていてそこがまた妙にいいサウンドを出しています。
シンセを使うようになってギル・エヴァンスのサウンドはよりカラフルになったんじゃないでしょうか。

二曲目のブルース・イン・ビートでの若かりし日のサンボーンやビリー・ハーパーのソロがいいですね。
個人的には四曲目の渇望の涙が一番好きです。ビリー・ハーパーのテナーソロが秀逸！。
ビリーの演奏の中でもかなり良い方に入るんじゃあないのかな。この一曲だけでも聞く価値あります。

五曲目の有名なサマー・タイムはギルらしいモダンなリフで構成されるファンタスティックな演奏。
ここでソロをとるテッド・ダンバーというヒトはあまりよく知らないけれどなかなか聞かせてくれます。

六曲目のジー・ジーは何度か録音されているギルの名曲。
おどろおどろしいリフ（笑）からファンタスティックな世界が広がって行きます。

全体に聞きやすいので、ギル・エヴァンスを聞いたことのない人にもお勧めで知るアルバムだと思います。

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lemonearth

Cry Of Hunger(渇望の涙）が圧巻

2013年5月10日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

おお、SVENGALI国内盤も再発されていたんですね。
ギルのオーケストレーション・マジックもさることながら、各個人のソロも凄いですね。
ハンニバル・マーヴィン・ピーターソン、若き日のサンボーンなど聴きどころ多いですね。
でも一番凄いのはCry Of Hunger(渇望の涙）における、ビリー・ハーパー（ｔｓ）→トレヴァー・ケラー（ｂｓ）のソロ。
特にケラーのあたりを蹴散らすようなソロはハーパーも「何だ、何だ俺の曲なのに！」と思ったのでは。
こんなことやるのはラサーン・ローランド・カークくらいかと思ってました。
ギルは懐が深いから「何でも許す！」みたいな指導者だったんでしょうね。　お陰で面白いライブになったようで、楽しめます。

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高野静行

具象と抽象の中間で

2006年11月9日に日本でレビュー済み

G・エヴァンスは、モダン・ジャズを代表する先鋭的な編曲家である。ただ、彼自身の音楽は、一部の人々からはわかりにくいともいわれる様だ。
彼は、言語的な意味での主題をもった音楽家ではない。本作の4は題名の様な想いが基なのだろうが、それは作曲したコルトレーン派のB・ハーパーtsによるものだ。
ギルは、ビッグ・バンドの伝統を踏まえつつ、次々と新たな要素をとり入れる。だが、完全な前衛には行かない。具象画と抽象画の中間の様な場で独特の世界が展開される。それがとっつきにくさの一因だろう。
本作は1973年のもの。題名は単にギルの名のアナグラムらしい。この時期のジャズは、8ビートや16ビート、電気・電子楽器を導入していった。これが、今では却って古く聞こえるが、それは仕方がない。当時としては初めての事だったのだから。
一番の名曲はギル作の6。彼独特の反クライマックス的な曲で、ギルの魅力ととっつきにくさの象徴。名曲5の編曲も魅力的。4は前述通り。M・デイヴィスとギルによる3は、近年、ギルの愛弟子、菊地雅章pのトリオの名演がある。いささか雑然としているが、当時のギル達の試みが理解できる一枚。

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寅五郎

ギル・エヴァンスの音楽を堪能できるライヴ盤

2012年8月23日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

　ギル・エヴァンスが１９７３年にマービン・ピーターソンとビリー・ハーパーの２人を帯同して来日した時期の作品。“サラブレッド”、“渇望の涙”はハーパー作。まさにバンドの顔のような存在です。“ブルース・イン・オービット”でのデイビッド・サンボーンの尖ったソロが聴け、後を引き受けたハーパーがいつになく？速いフレーズを熱演します。“ジー・ジー”、このトラックのみ“フィルハーもニックホール”での演奏ですが、マーヴィン・ピーターソンの情熱の隠っていながら“静かな”演奏は白眉だと思います。スー・エヴァンスのパーカッションも新鮮。リチャード・ウィリアムス、テッド・ダンバーが洗練されたソロ、ハワード・ジョンソンはフリューゲルホーンまで持ち出してソロをとるなど大活躍。“サマータイム””等を含め硬軟のバランスもよく聞き所満載です。
　ところで、SVENGALIはGil Evansのアナグラムで“悪い目的で人を操る者”だそうでジェリー・マリガンがギルに献じたものだとライナーノーツで紹介されていました。ボクも“操られた”一人です。

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クローバー

上級者向けかな

2005年8月17日に日本でレビュー済み

個人的にはDavid Sambornのクレジットにつられて購入。ギルらしいライブアルバムではと思いますが、下手をするとフリージャズの一歩手前的なところもあり、ジャズ初心者というよりは上級者向けと思います。

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Loveless

過渡期の微妙さ、残念な作品

2018年11月21日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

ジャズがエレクトリック導入に加速する「過渡期」の時代の、微妙で中途半端な作品だと感じる。まだ、ギルの意図するであろう「表現」は聴き手にも消化不良は否めない。ビリー・ハーパーは短期間だけで一線から消えた人の一人。普遍的な魅力に欠け、古さを感じる。サンボーンもまだまだ不安定なフレイズに終始して魅力が出せていない。この数年後に、ギルは「Priestess」という大傑作を産む。そこでのサンボーンは別人のような名演をして輝いている。その大傑作が廃盤のままで、この過渡期の中途半端な作品が何度も販売されていることにはえも言われない「不満」を抱く。あの「Priestess」という大傑作を聴いてしまった後では、これは聴くに耐えられない微妙な作品だ。ハンニバルのペットも世紀の名演をしたルー・ソロフの足元にも及ばないし、テナーもビリーとジョージ・アダムスでは格が違い過ぎる。アンサンブルを始め、各ソロすべてが「名演」の作品「Priestess」が入手出来ない今、この作品に手を出すのは間違いだった。

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Jorge

Boa surpresa

2020年7月29日にブラジルでレビュー済み

Amazonで購入

Uma obra prima do jazz fusion

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Peter P

True music

2012年8月25日にアメリカ合衆国でレビュー済み

Amazonで購入

One of the best musical arrangements I have had the pleasure of listening to. A true genius and a great addition to my library

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Alfonso Falero

recomendable

2013年12月9日にスペインでレビュー済み

Amazonで購入

Evans aventura nuevas combinaciones sonoras. Es una escucha fresca y rewarding. Principios de los setenta es un momento de gran libertad para el jazz, y Evans aprovecha el momento.

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Heinrich Bolz

Svengali von Gil Evans

2013年6月16日にドイツでレビュー済み

Amazonで購入

jazzige und bissel wilde Klänge aus alten Zeiten (Abi 1973). Hatte ich zufällig auf einem Flug in der angebotenen cd-Sammlung gehört.

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Ian Thumwood

Interesting but not essential Gil Evans.

2019年3月6日に英国でレビュー済み

Amazonで購入

For the budget price, it was nice to be reacquainted with this Gil Evans album but the passage of time hasn't really made me change my opinion of this disc. For someone of his talent, Evans was massively under-recorded at the height of his powers and this disc effectively marked a point at which his music had been massively transformed with electronic keyboards and where he started to record more frequently. I have always felt that record producers latched on to Gil too late or that his notoriously slow method of arranging worked against him. When I was younger I was much less critical of Evans than I am now and whilst I can appreciate his 1950's and 60's output almost unreservedly, the later stuff is uneven. It is a shame that there is such an abundance of his later material that is accentuated by the band's relatively small repertoire. This record captures Evans before his Hendrix obsession and a number of the tracks will be unfamiliar to the causal fan.

The writing on this record doesn't have the same quality as his more acoustic work yet it is still distinctive as being Gil Evans. A feature if this period is the scoring of the tuba in the high register with the tonal palette not quite matching the achievements of what he had been doing ten years earlier. For me, it highlights Evans' understanding of harmony more than his orchestration = something I feel is overlooked. I would contest the idea that he was now influenced by rock or fusion but it is clear that synthesizers have a more significant role in the music. The best tracks are "Thoroughbred", "Blues in orbit" and " Cry of hunger" which seem quite prescient of the way jazz now sounds. The version of "Summertime" is a re-working of the old arrangement written for Miles with the short and punchy "Eleven" also being associated with the trumpeter. I like the version of George Russell's "Blues in orbit" which employs the composer's unique sense of harmony with a pithy arrangement and it actually really good fun. It is only away from the studio with the live performance of the closing "Zee-zee" that my enthusiasm really waned. I loved this track when I heard it for the first time as a teenager but it is so typical of some of Evans' more minimal approach to writing in some instances and there is insufficient there to hold the attention. Not a lot is really going on.

Wind forward into the mid 1980s and Evans had almost transformed the orchestra in to a jam band - a kind of synth and bass heavy version of Basie's Kansas City era band. On this record, the arrangements are still in place but it is not really on a par with his more celebrated work which captured the zeitgeist of the time. By 1973 things had moved on and this record captures the kind of happy medium between post-bop and electro-jazz. This record also seemed a bit odd to me and not as satisfactory as a later disc like "Priestess" where this compromise really comes to fruition. At the time, Gil Evans could still claim to be one of the most forward thinking and creative minds in orchestral jazz but the music has moved on nearly fifty years later so if some of the distinctive Evans' traits in the writing remain, there are plenty of writers in big band jazz today who have this kind of approach well within their grasp.

All in all, there is sufficient to warrant investigation but the series of albums he cut up to "Impressionism" are truly essential.

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Svengali

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