なんといってもタイトル曲「ナポイ」がスゴイ!フェラのMCからして非常に音楽的。演奏にはまだ粗さが目立つものの、アフロビートの「荒さ」も際立つ一曲だ。どっちかというとフェラ入門用というより、結構聴いて知ってる人にアピールする曲なのではないかと思う。20分以上の曲尺といい、擬似ステージ体験をするのにもってこいかも。
そしてもうひとつのタイトル曲「ゾンビー」。ナイジェリア軍部を思いっきり皮肉った曲。グルーヴやビート、奔放で狂気じみたソロなどの良さで語られがちなフェラだが、この曲を聴くと彼の曲作りの巧みさをダイレクトに感じられるはず。特にコール&レスポンスで歌詞を進める仕方、ヨルバ語交じりのピジンイングリッシュとリズムの響き合いなど、曲とメッセージの不即不離な!感じが、ユーモラスなノリと音楽の説得力を生んでいる。フェラの傑作はそもそも曲自体がいいのだ。こちらはフェラ未経験者にもオススメ。