ペッテル・ノールダール・トリオとの二度目の邂逅(1999年作)。
95年に出された最初のジャズボーカルアルバムは、とても簡素な作りだったが、その内容の良さからじわじわと人気盤となり、その流れでこの第二作をリリースする運びとなったのだろう。前の作品がある意味、偶発的な良作だったのに対して、本作はじっくりと丁寧に作られており、音も全体的に向上している。リサのボーカルも雰囲気勝負だった前作に対し、非常に落ち着いた安定した歌唱をしている。そういった意味で、本作は上質さは増し、初々しい可憐さは少し減退したといったところか。
それにしても、リサという歌手は、本業のフォーク歌手でのスタンスと、ジャズボーカリストの時での洒脱さ、そしてボサ・ノヴァでのソフトリーな優しい歌声と、非常に幅の広い歌手だ。こんなにも幅のある歌手は他にあまり知らない。それはおそらくフォーク歌手での本気な渋さがそういう感想を持たせるのだと思う。