Japanese Version Featuring Digital K2 20Bit Mastering.
ロイ・ヘインズは1926年生まれで、マイルス・ディヴィスと同じ年である。プロとして活動を開始したのは40年代。レスター・ヤング、チャーリー・パーカー、バド・パウエルなどの歴史上の巨人たちと共演した、筋金入りのジャズ・ドラマーだ。同時にチック・コリア、パット・メセニーといった新世代のミュージシャンとも共演しており、時代やスタイルを超越した多彩な活動ぶりは、ほかに例がないほどユニークだ。 この作品は58年に録音した初リーダー作。ヘインズは短期間ながら、フィニアス・ニューボーンJr.&ポール・チェンバースを含むウィ・スリーというグループを率いたことがあり、これはそのレギュラー・トリオで録音された。ドラマーがリーダーとはいえヘインズは派手なソロを聴かせるわけではなく、趣味のいいバッキングで演奏をビシッと締めている。このアルバム、フィニアス・ニューボーンJr.を中心にしたピアノ・トリオ作品として聴いても違和感はない。アート・テイタムの再来と騒がれた若き日のフィニアスの演奏は、さすがにスケールが大きい。(市川正二)
プレスティッジ・レーベル50周年(1999年当時)記念特別企画、ヘリティッジ・オブ・ジャズ・シリーズ第29弾。ドラマー、ロイ・ヘインズの、1958年録音盤。 (C)RS