3枚のオリジナルレコードを2枚組のCDアルバムにする際は、通常は同程度の収録時間にするために
どのアルバムかを分割するものですが、この商品では、1枚目にブラジル'65のライヴ盤(65年)にいきなり
サッカーのペレのためのサントラ(77年)を唐突に抱き合わせて、もう一枚には67年のオーケストラを使った
壮大なイージーリスニングアルバムを単体で収めるという荒業に出ています。
なので2枚目のCDは28分しかないという。せっかくならもう一枚収録しろよという本当に謎の編集盤です。
その割に全体的に音はよく、それぞれが単体としてセルメンの良いセンスが違う角度から抽出されたような作品
なので、トータルとしては十分に楽しめました。しかしこういう編集盤って誰の権限でセレクトされてこういう形に
なっていくのか? そこの所は全く不明です。
ただ初期の初々しいワンダ・サーの歌声が聴ける簡素なボサノヴァ・ライヴ、ペレ本人の朴訥とした歌も聴けるサントラ、
そしてブラジル版ポール・モーリアのようなイージーリスニング的な聴き方が出来るソロ作と、セルジオ・メンデスの
多才さを堪能するには、ベストなんかで聴くよりもこれのがよりはっきりしているように感じます。
そういう意味で「あり」の変な3in2のCDです。