1「The Rover」は当に小松氏のベースと佐野氏のドラムが骨格を作り出し今作の象徴です。そこから田島氏が奔放に展開してゆくコンポジションの高揚は従来と一味違いますね。 2「It’s a Wonderful World」は当にインスパイアされたCURTIS MAYFIELDそっくりの終始ファルセット歌い。フィリーソウル自体のヴォーカルアプローチやピチカート時代の田島氏の澄んだ声を思うと、こういう楽曲も頷けます。この声の綺麗さと、3「The Best Day of My Life」の熱い声が同じシンガーから発せられるのですから凄いものです。 “祝祭”と名付けられた5「フィエスタ」はその名の通り、人間が持つプリミティヴな音楽の熱を宿します。このエスニックな音楽のクロスオーバーをみせてゆくのは、OLらしい点でした。また、7「時差を駆ける思い」の作曲は小松氏と田島氏の共作で、フリー要素の高いジャズをポップに仕上げてしまうところは流石OLです。 佐野氏の軽やかなタッチから入る10「朝日のあたる道」は従来のOLが持つエレガントな要素を持ち、大人になってから改めて素敵に思えるラヴソングでしょう。
数多くのアルバムをリリースしているオリジナルラブですが 私はこのアルバムが一番かと思います。 東芝EMI時代の代表曲である「朝日の当たる道」「Rover」 マニアにはたまらない「フィエスタ」 ジャジーなリズムとサウンドで魅了される「the best day of my life」 等々、非常にクオリティの高い曲が集まっていますが アルバムを通して伝わってくる「音楽を愛する精神」、これが必聴です。 どの曲にも音楽を演奏できる喜び、感情が溢れています。 巷の量産されたような安い音楽に嫌気が差したら是非。損はさせません。