'91~'99年の間に収録された楽曲を、'99年にデジタル・マスタリングして発表した、ある種発掘音源といった趣の作品だが、内容レヴェルは高い。
カンのメンバーに、ジャー・ウーブル、U-SHE,シェルダン・アンセルといったお馴染みの顔ぶれが参集している。前半の四曲は、フェイク・エスノなカン・サウンドを思いっきりダビーにした感じで、かなり聞き応えがある。かつてのカンのファンに是非とも聞いて欲しい。ジャキ・リーベツアイトとシューカイのリズム・アンサンブルはしびれるよ。
後半はシンセサイザーに短波放送を重層的にコラージュした、20分余りのエスノ・アンビエントといった作品。シューカイ独りの多重録音だが、これも聞き飽きさせない。
統一したサウンド・カラーこそかけているが、ヴァラエティーに富んだシューカイ・ワールドが楽しめる好作品だと思う。スタディオ録音としては前作『Movinng Pictures』よりは、遥かに上出来。