イギリスのフリージャズ界を代表するドラマー、トニー・オックスレイによる1969年の作品です。メンバーはEvan Parker(ts)、Kenny Wheeler(tp)、Derek Bailey(g)、Jeff Cline(b)という超豪華メンバー。
作風としては、まさに60年代後半、70年代前半で大いに流行った「集団的インプロヴィゼーションの嵐」という感じで、結局は誰がリーダーになろうと最終的には関係なくなってしまうという、各人のエゴが再現なく衝突しあう演奏が延々と展開されています。したがって、どの曲がいいとか、誰のプレイが素晴らしいという凡庸な評論はあまり意味をもちません。一番重要なのは、これだけの重鎮が一堂に会して火の出るような激しい攻防を繰り広げたという事実のみです。
いま改めて聴き直してみると、確かに気力が衰えているときにうっかり聴いてしまうと、胃腸に大変こたえます。心身とも充実している時を見計らって、心して偉人たちの「叫び声」に耳を傾けてください。