カーラ・ブレイがNYのフュージョン・グループ、スタッフと組んだアルバムで4人の管
楽器奏者はカーラ・ブレイ・バンドのメンバー。1976年の作品。特別編成のセッション
ということからか演奏されているのはカーラ・ブレイのベスト・ソングスという趣で、
意外な組み合わせながら内容的にはとても面白く充実したアルバムになっている。カー
ラ・ブレイの曲はポール・ブレイによる演奏が一番よく知られているのだろうが、ポー
ル・ブレイの理知的で時にフリージャズ的な解釈に比べてここではとてもソウルフル。
カーラのメロディ・メイカーぶりが前面に出ている。特にバラード曲ではとてもメロウ
な演奏を聴かせており普段の彼女の音楽からはちょっと想像するのが難しいほどセクシ
ーだ。ラズウェル・ラッド等管楽器奏者の演奏も素晴らしい。カーラのオルガンとリチ
ャード・ティーのピアノ、エレピとの絡みなど聴いていてゾクゾクする。カーラ・ブレ
イに近寄り難いコワモテのイメージを持っているひとにはまずこのアルバムをお薦めし
たい。