どちらかと言えば、コンセプチュアルな2ndが好きだが、1979年にリリースされた、この1stの衝撃性も忘れられない。
オリジナルLPは4トラックで録音された全14曲、初回盤のみ4曲入り7インチ(本作の15~18に収録、特に17、18が変!)付き。
日本盤CD化にあたって、先行した2枚の貴重なシングル計7曲をボーナス・トラックとして追加。
楽器もろくに演奏できない連中が勢いで結成したのは有名な話で、音も悪いが、妙な迫力あり。
本作の4年前くらいから曲作りをしていたらしく、下手なりに、凄いことになっていました。
パンクもこの頃には多種多様となり、ニュー・ウェイヴ範疇のポスト・パンクということになるのだろうが、ガレージで練習しているような手作り感あふれる、ガチャガチャのグチャグチャが良いんだ。
何かやりたいという情熱は確実にビシバシ伝わってくる。
曲作りは手癖なのか、時々あまり聴いたことがないようなメロディが出てくるし、ドスバタしたリズム隊を基調に、外れたヴォーカルとコーラス、長々続くギター・リフ、予測しにくい鍵盤などが絡んで、独得の変態的グル―ヴを生み出している。、
そして、6のようにピアノや効果音を使って、フランスのパスカル・コムレートみたいなミニマム・ミュージック風インストを入れたり、何やら単調で謎めいて暗く盛り上がってゆくナンバー(12)があったり、13なんか、まるでノイズ・ミュージックかインダストリアル、はたまたガレージ・プログレとでも言うべきサウンド。
シングル群もまともな曲は1曲もなく、一聴、シンプルなようで、変なことをいっぱいやっているから、なかなか飽きがこない。
19から25までのボーナス・トラックは、25を除き、ストレートなR&Rと呼べるものが多くて、かっこいいし、聴き易いかも。
皆から愛された変人、故ニッキー・サドゥンに合掌!