WireのメンバーBruce GilbertとGraham Lewisによる、Dome以外の音源を集成するコンピレーションCD。Muteではなく4ADから。
■□■Cupol名義12インチ・シングル「Like This For Ages」(80)AB面 → M1~M2
A面にあたる「Like This For Ages」はVocal、B面「Kluba Cupol」は20分強のインスト。
オリジナル・アナログ・ジャケットを見ればやや中近東ムードで。そんな民族的色彩を漂わせて音の質感はひんやりとしつつも、
プラスティックな土人が祈祷をあげているようなインダストリアル・チューンM2に痺れる。個人的にはこのCD一番の聴きものか。
■□■ミニアルバム『3R4』(80)から全4曲 → M3~M6
M3とM5「Barge Calm」(両方とも同じ曲名)は1分強のインタールード(?)、M4「3.4...」とEno顔負けのドローン・アンビエントM6「R」は20分前後、
どっちも妖しい異空間につれていかれそうなインスト。アナログ盤『3R4』のアートワークが本盤『8 Time』の表ジャケットにも再び使われている。
パーカッションにはGilbert/Lewisとは繋がりの深いRussell Mills、エンジニアとしてのちにプロデューサーとして名を馳せるJohn Fryerと、
Mute Recordsがらみでよく見かけるEric Radcliffeが参加。
■□■7インチ・シングル「Ends With The Sea」(81)AB面 → M7~M8
M7「Ends With The Sea」M8「Hung Up To Dry Whilst Building An Arch」
M7は強いて言うならこの中ではWire寄りなVocal曲。ってもエレポップな第二期じゃなくて最初の3作でパンキッシュではない感じの。
ああ、いいね。鬱陶しい感情の類を一切排除しているからこそドップリ音の海に浸る事ができる。やっぱりWireやColin Newmanよりも、
私はGilbert/Lewisのほうばかり聴いていたい。Wireの最初の3作のデラックス・エディションが発売されているのはいい事だけど、
Gilbert/Lewisの作品もできれば紙ジャケにしたりとか、ボーナス曲をプラスした最新のリマスターCDをいつでも買えるようにしてほしいなあ。
ヴァイナル・リイシューばっかりじゃなくてさ。こういう音楽の良さがわかる人は前世紀と違っていま、多くは売れなくとも増えているのだし。