ネオアコ御三家と言えば、アズテック・カメラにオレンジ・ジュースそして彼らペイル・ファウンテンズといった感じだが、アルバム2枚しか出していないファウンテンズが御三家に入るのは、このアルバムがあまりにも鮮烈なきらめきを放っていたからだろう。何しろ曲のタイトルを「青春は一度だけ」と「南へ急ごう」と2曲もフリッパーズ・ギターが拝借しているのだから、どれだけシーンにとって重要な一枚かも分かるというものだ。また彼らの音で独特なのは、映画的なサウンドであるということで、ホーンやストリングスを効果的にギターポップサウンドに混ぜ、気品ある音に仕立てるというやり方は、彼らが最初だった。ジャケットからして、非常に映画的であり、それはスミスやベル・アンドセバスチャンのアルバムと共通点がある。 それと、あまり取り上げられないのだが、M9の「ABERGELE NEXT TIME」はネオアコ屈指のキラーチューンで、彼らの代表曲である「THANK YOU」や「JUST A GIRL」に匹敵するほど素敵なメロディとコード進行だと僕は思っていて、アルバムを決定づける曲だと思う。