いやー、これはすごいわ。なんと3枚組で全35曲入り。おかげでこれまで後生大事にとっていた幾つかの12インチをポイできることにw
Brosって言っても今の若い人は全然知らないんだろうなーと思いつつ、88年のイギリスでの勢いは凄かった。ちょうどPet Shop Boysとマネージャーが一緒だったこともあり、リック・アストリーやカイリー・ミノーグとかのPWL勢よりはいい曲作るじゃんと思っていた(後で作曲はプロデューサーのニッキー・グラハムとマネージャーのトム・ワトキンスが担当していたことが判明。しかも"The Brothers"とかいう紛らわしい名義でw)。3人組だったのはこの1stの時期だけで、2ndが出る前に脱退したクレイグ・ローガンは後にKim Applebyの"Don't Worry"を共作したり大手レコード会社の役員に収まったりしたっけ。正直ゴス兄弟のデュオになってからは曲もイマイチだし、なんか…絵的に濃すぎてw。 "Madly In Love"のシングル・バージョン(スタカンがカバーした"Promised Land"で有名なJoe Smoothがリミックス)とかはそれでもすごいかっこよかったんだけど。
アルバム自体はシングルになった曲とそれ以外の落差が激しいな、と。Systemとか一時期のR・パーマーとかのブラックっぽいエレクトロファンクが好きな人はそれでもまあまあ聴けるのではないでしょうか。個人的には既発のベスト盤には収録されなかった"I Owe You Nothing"の88年再リリース時のシングルバージョンが収録されてるのが嬉しい。オリジナルは流石に地味すぎて、かつ実際にUKで1位になったのは派手派手なリミックスの方だから。
その"IOUN"は87年リリース時と88年リリース時で異なるミックスの12インチがリリースされたのだけど、どっちも今回のディスク2に網羅されてる。かつ、"Famous"もUKの12インチとUSの12インチ両方のミックスを収録。"I Quit"のシングルリミックスとThe "Turn-On" Mixは、元スクリッティ・ポリッティのフレッド・メイハーが担当。"Drop The Boy"のShep Pettibone Mixをラジオで渋谷陽一が「すごいですね。イギリスのティーン向けのアイドルのヒット曲には思えない黒っぽさですね」と褒めてたのを思い出した。そのS・ペティボーンのリミックスの、ボーカルがほとんど入ってない"Dub"の方がすごくクールで。今でも全然通用するかっこよさ。正直、これだけのためにでも買った価値がある。あ、クリスマスに2位になった"Silent Night(「きよしこの夜」っすねw)"もちゃんと入ってるのでご安心を。