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私が最初に買ったロリンズのレコードは、これではない。＜ソニー・ロリンズ ゴールデンデスク＞とかいう偽ステの所謂オムニバス盤だった。見開ジャケの表に、モヒカン刈りであごひげを生やした西部劇のインデアン風のtsプレイヤーが写っているものだったと思う。もう所持していない、くれたのやら貸したのやら・・・
＜Moritat＞ それは、私が16歳頃の夜、地元SBCラジオから聞こえた。（当然AMでNHKラジオもまだFM放送をしていなかった。）偶然だった。大橋巨泉さんが「これからかける曲はモダン・ジャズの名演である・・・」といったことを宣ってから、かけた。聴いた。曲がフェードアウトしなかった。長いと感じなかった。聞き覚えのあるメロディーだった。
記憶は定かではない。番組も大橋巨泉も油井正一もconfusionしているかもしれない。だが、この時かかったのは＜Walkin’, Bags’ Groove, Moritat & ’Round About Midnight＞の4曲だった。「Jazzって格好いいな～!!」と思えた、感じた。私はそれから50年以上もずっとジャズに魅かれている。
“Saxophone Colossus” アルバムを手にしたのはそれから数年後。持っているLPの枚数も少ないこともあり、かけたかけた聴いた聴いた、盤が擦れるほど。RollinsのtsもFlanaganのpfもWatkinsのbもRoachのdsも、どこまでも端正に優しく美しくそして力強く聴こえた。聴くほどに一音の無駄もない演奏だという思いを強くしていった。アドリブまで口ずさめていた。
＜Moritat＞を聴いて50数年。“Saxophone Colossus”はジャズ史に燦然と輝く即興演奏の金字塔だ。
最後に、今話題のMLBのドジャースは、RollinsがファンであったN.Y.のBrooklyn Dodgersであったことを“Newk's Time”の入手の頃から知っていました。どこのTVでも改めて注釈していたのを見て「今さら」と感じるのも、作文を思い出話から書き始めるのも、70過ぎのじいさんだからですかね。
追記：
“Walkin’”については「『この作品でハードバップの夜は明けた。』(by S. Yui)」と題して2018年に書いた。従って、いつか分かりませんが“Bags’ Groove”と“’Round About Midnight”の思い出話も書くと思うので、どうぞご拝読を。
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