ジェラール・グリゼーの『音響空間』"Les Espaces Acoustiques" 全曲の録音です。
現代音楽を主に扱うフランスのレコード会社 Accord が 1999年にリリース。すぐに売り切れたのか、2001年にジャケットを新たにして再リリースしたのが、当CDです。
『音響空間』は、全6曲により構成されています。
第1曲は、ヴィオラ・ソロ。
第2曲は、7楽器。
第3曲は、16楽器(18楽器の場合もあるようです)。
第4曲は、33楽器。
第5曲は、大規模オーケストラ。
最後の第6曲は、4つのホルンと大規模オーケストラ。
次第に編成か大きくなり、音響の順列・組み合わせは爆発的に膨張。いかにもスペクトル楽派らしい、さまざまな楽音が重層的に重なり合い、深々とした音響空間を紡ぎ出していきます。
90分近くにわたって、音の洞窟の奥へ奥へと進んでいく感じ。あるいは、音がどんどん高層化して、展望が広がっていく感じです。
システマチックではありますが、機械的な冷たさはなく、抒情性もみなぎらせています。
タイトル通り「音響空間」に身も心も満たされます。
1曲目のビオラ・ソロは、Gérard Caussé。
2曲目、3曲目は、現代音楽を得意とする、というか、スペクトル楽派の演奏が専門と言ってもいい Pierre-André Valade: Ensemble Court-Circuit。
4曲目以降は、Sylvain Cambreling: Frankfurter Museumsorchester。
編成があまりにも違うため、前半(Disc 1) と後半(Disc 2) で指揮者&楽団が異なりますが、不連続感はありません。
ちょっと時間的に長いですが、聴き出すと「音の旅」のようで最後まで興味深く聴けます。
現代音楽の大作です。