Amazonレビュー
絡み合う有刺鉄線のようなツイン・ギター、うねりを上げるベース、エフェクティヴに加工されたドラム。そして、その爆裂サウンドの中で絶叫するヴォーカル。確実にサウンド面での彼らの攻撃性はパワーアップしている。また、その言葉にも注目したい。東京という都市に身をおき、傍観しているときに感じる怒りや恐怖、絶望が叫びとなって火を吹いている。福岡から東京に拠点を移した彼らが抱いた危機感は、都市生活者の誰もが共感できる鋭いメッセージである。(多田ライコウ)
メディア掲載レビューほか
あの伝説のアルバムから1年。遂に現れたモンスター・アルバム。Proに、今話題のデイヴ・フリッドマンを起用しているのも話題だ。「ノイズの先にある音」「日本語のロックの未来」数々の問いの答えは、ここにある。
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
スタジオ録音アルバムとしては1年ぶり、通算4作目は、好評だった前作をはるかに上回る快作に仕上がった。向井秀徳のヴォーカルを中心とした歪んだギター・アンサンブルに変化はないが、空間的な広がりを感じさせるサウンド・プロダクツや切れ味を増したリズム、エッジの立ったギターで、彼らの描き出す世界は一層リアルでイマジネイティヴな手触りを持つことになった。プロデューサーとして起用されたデイヴ・フリッドマンの功績が大きいが、一層緊密になったバンド・アンサンブルには、メンバーの大きな成長と自信がうかがえる。アルバム・タイトルが示す通り、向井らの描こうとしているのは荒涼とした都市の闇に佇む自己の心象風景である。整理されない錯綜した感情を吐き出すように歌うヴォーカルと、切れ切れに放たれるガリガリと尖ったギターがあいまってできたサウンドはノイジィでラウドだが、しかし攻撃的な印象はなく、むしろ内省的で静謐な印象を受けるのが興味深いところである。 (小野島大) --- 2000年08月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)