私は残念ながらギターが弾けない。しかし、パット・マルティーノが大好きだ。粒立ちの良い音、凄まじいテクニック、アイデアに満ち溢れたソロ。それらがブルージーな感覚と相まって、言葉では言い表せない独特の魅力を発散している。"クセ"になるギタリスト・・と表現しては失礼か? とにかく現在のジャズ界における『最高のギタリスト』である。
今作品は、彼のデビュー2作目。メンバーは、Joe Farrell(ts・flute),Cedar Walton(p),Ben Tucker(b),Walter Perkins(ds)に2人のパーカッション。弾きまくる印象が強いパットが、①では比較的おとなしい演奏。しかし②③ではぐっとテンポアップ。④では、尊敬するウェス顔負けの「オクターヴ奏法」を披露。⑤では,Farrellのフルートと共に、ジャズサンバ風の演奏を見せる。
アルバムタイトルの「STRINGS!」は、ギターの弦の事。パットは、1弦が0.16インチの太い弦を使い、大理石のピックで弾く。彼の通常のストリングス・ゲージは、16-18-26-36-48-58。これでミストーンもなく、がんがん弾く。集中力と練習の賜物か!因みにパットは、1944年8月25日生まれである。「自分も頑張らねば!」と思わせる。