リッチー・コールと言うと、80年代にストレート・アヘッドな楽風で人気を博したが、ステージにタモリを上げるなどオフザケが過ぎたせいで求道的な日本のジャズファンには受けがイマイチだった。
が、彼のミューズの諸作を聞き返してみると、ヴィック・ジュリスのギターやハロルド・メイバーンのピアノの快演と相まって、明るく軽快で実に楽しめる。本作は「キーパー・オブ・ザ・フレーム」と共に、ヴォーカルの大御所エディ・ジェファーソンが数曲で歌っていて、如何にもニューヨークの休日を闊歩する雰囲気を醸し出している。
彼の演奏と作品は、内容本位でもっと見直されても良い。