1964年9月、Monterey, California録音 L:Jazz Workshop
ミンガスが、ドルフィーを伴ったヨーロッパ・:ツアーから帰国し、参加したジャズ・
フェスティバルでのライブ盤。自分で新たに独立レーベルを起こしてでも、リリース
したかった音源。しかも2枚組。
最初の一枚は、デューク・エリントン・メドレー。M1はミンガスのベース・ソロ。途切れずに
M2に入り、「In a Sentimental Mood」の有名なテーマをサックスが吹く。ミンガスの粋と
洗練とジャズ魂が脈打っている。エリントンの音楽は、いまだに良さがわからないが、ミンガスが
演ってみせるエリントン・ミュージックは、とてもいい。
アルバムの重点は最後に収められた「Meditations on Integration」にある。この時期の
ミンガスにとってエリントン・ナンバーの再解釈と「Meditations」が演奏表現の軸に
なっている。ドルフィー参加の『Cornell 1964』では、30分以上の大曲となっている。
全体としてミンガスのライブの特徴である、ゆったりとしたおおらかさとエネルギー感に
満ちている。スタジオでは、ミンガスは自分が作曲した曲をさらに煮詰めて凝縮し、新たな
創造を行うので、緊張感の高いものとなる。それをしないライブでは、ミンガスのもう
ひとつの資質である”自由を愛するcreativeness”が前面に出てくる。
M1〜M6は「Duke Ellington Medley」=「I've Got It Bad」「In a Sentimental Mood」
「All Too Soon」「Mood Indigo」「Sophisticated Lady」「A Train」
M7「Orange Was the Color of Her Dress, Then Blue Silk」、M8「Meditations on
Integration」