結成は1968年。Lucifer's Friendらと並び、SCORPIONS登場以前のドイツのハードロックシーンを牽引した先駆的存在です。知名度はマイナーですが、実力は保証付き。本作は1971年発表の2ndアルバムで、次作とともに初期の代表作です。
この時期の音楽性は本格的なオルガン・ハードで、曲の長さは6〜7分台が中心。同郷のFrumpyとはわりと共通点が多いと思う。またDeep Purpleの影響が強いので、ブリティッシュ・ハードロックが好きな人にもおすすめです。
サウンドの主役はキーボードで、このキーボード奏者は才気爆発してます。もちろんギターやリズム隊の仕事ぶりも見事なもの。ボーカルはイアン・ギランやデヴィッド・バイロンほどの個性はないけど、パワフルだし上手いのは確か。
「Stop Little Lady」は端正に組み立てられた名曲です。ジャズ風のリズムに乗せた、音を歪ませたりするキーボードソロも印象的。「Just Before the Sun Will Rise」は、心地よい高揚感の続くドラマティックな曲。ラスト「Let Us Do It Now」は11分を超える大曲で、クラシカルで非常に美しい。なかなかこれだけの曲はないが、もう一段の盛り上がりがあればもっと最高だった。
あと何といっても、このアルバムはジャケ勝ちでしょう。バッタの化け物が赤ん坊を貪り食う、発禁寸前のアートワークに拍手。メタラーならラックに収めておくべき。
1.Stop Little Lady
2.Just Before the Sun Will Rise
3.Work Is Done
4.Flesh and Blood
5.Pandemonium
6.Let Us Do It Now
Germany盤収録(*このUS盤に入ってるかは不明)のボーナス・トラックは、どれも4分前後。彼ららしさを発揮するには少々窮屈なようですが、「Hope」はオカルトっぽいフレーズが印象的だし、「What's Your Name」もとてもカッコいいです。
7.Hope
8.Rollin'
9.Work Is Done(Single Version)
10.What's Your Name
11.Believe in the Pill