フランスのサイケ/プログレバンドのゴングが1971年にリリースした第二作。アレン色が強いサイケポップな前作から飛躍的にジャズロック
している一枚に進化した。後にハットフィールド・アンド・ザ・ノースやナショナル・ヘルスというカンタベリー・シーンの重要グループ
にも参加したピップ・パイルのドラミングがもろに影響してるだろう。この変拍子を難なくこなすテクニカルな煽動力によってマレルブも
前作と比較にならないほどアグレッシヴなサックスを聴かせてくれる。よって愉快な作風ながら全編に緊張感がある仕上がり。
ここですでにゴングの基盤は出来てると言っても過言ではないと思う。すなわち、ボヘミアン体質が強く反映したデヴィッド・アレン
の変態サイケワールドに、それを何倍にも増長させるジリ・スマイスのスペース・ウィスパー（奇跡の命名センス！）と言う名の
第三者を完全に無視してしまったエロアイデアヴォイスに、テープ録音にエフェクト多用のコズミックな広がり、そして緊迫感を有した
ジャズロックなグルーヴ。あまりにユニークな世界だが2曲目や8曲目のように素直に痺れる曲もあるのでご心配なく。が、基本ボヘミアン。
あまりにもボヘミアンすぎて一種おフザケ感があるのに、音楽的な質はまったく低下させず矛盾なく成立してるところが最大の特徴だろう。
そしてそれ自体がアレンの不気味なカリスマ性でもある。もっと言うならそれこそイデオロギーの暴走に個々性で立ち向かったヒッピーの
象徴そのものじゃないか。優れたミュージシャンの前にね。
で結局、こんな奴のところに凄いメンツは集まる。ブレイク然り、ムーラン然り、ハウレット然り、そしてヒレッジと。でも魅力が強烈
すぎる故の皮肉もあって、基本アレンは楽器ができなくても誰でも参加できるような集団を創りたかったはずなのに、いつのまにかメインが
超絶音楽の側面に偏ってしまった。結局脱退してしまうが。。そもそもソフト・マシーンでレコードデビュー出来なかった時点で、
偉大なユーモアの道を歩む事は決定づいてたんだろうね。始まりから逝ってるんだもん。なんてカッコいいんだ。

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にゅう

｢You Can't Kill Me｣は名曲

2008年7月26日に日本でレビュー済み

　Radio Gnome Invisible３部作｢The Flying Teapot｣｢Angel's Egg｣｢You｣発表前の作品。
　３部作、中でも｢Tea Pot｣や名盤である｢You｣などと比べるとはっきりいってのっぺりとした演奏で切れも悪くイマイチな感は否めないのだが、すでにデイヴィッド・アレンのユートピア思想に基づいたスペースチックでサイケなジャズロックという個性は確立されているのはさすが。恋人・ギル・マイルスの怪しい｢スペースウィスパー｣もすでに健在である。
　中でも怪しいイントロ｢Radio Gnome(ここですでにコンセプトがあった)｣から始まる｢You Can't Kill Me｣はこのアルバムの中でもアップテンポで攻撃的で突出した名曲。今聴いても十分かっこいい曲だと思う。

　まあ、後期のジャズロック化したGongが好きな方はともかく、独特のトリップ感を与えてくれるアレン時代のGongが好きな方は持っておいても損はないアルバムだと思う。入門者はやっぱり、演奏・楽曲面で充実した｢Teapot｣｢You｣をオススメします。
　

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寿

初期ゴング・サウンドを確立した作品

2009年2月10日に日本でレビュー済み

７１年の２ｎｄ。ロバート・ワイアットらとのグループ、バナナ・ムーン経て制作されたゴングのセカンド・アルバム。テープ操作による変調やサウンド・エフェクト、スミスによるウィスパー・ヴォイスなどを駆使した良い意味での変態サウンドをロック寄りのサウンドで聞かせており、前作のフォーク的なサウンドからかなり変化している。単調な部分もあるが、本作においてほぼゴングのサウンドは確立されたと見てよいと思う。軸となるのはギターとサックスによるリフであり、そこにフリーキーなアレン＆スミスのヴォーカルが絡む。演奏メンバーが達者なおかけでかなりシャープな演奏になっているのが魅力。３．はオルガンをバックにした賛美歌調の佳曲。４．はフリーキーな雰囲気はあるもののノヴェルティ・ソングのようなポップな曲が、突然スミスによるスベーシーなスロー・ナンバーに変化する。８．のスペーシーなサウンドはスティーヴ・ヒレッジにも受け継がれるゴングの真骨頂とも言えるもの。本作のハイライトだろう。９．はシングル・カットも出来そうなメロディアスな６０年代風のギター・ポップ。アレンの本質的な魅力が垣間見れるシンプルかつポップな一曲だ。
この混然とした世界こそ初期ゴングの魅力だろう。個人的には非常に珍妙な印象があるのだけど、あまりにもビジュアルにマッチしたサウンドなので説得力を感じてしまうのも確か。ある種のワールド・ミュージック的なテイストもあると思うが、それだけ独特とも言えると思う。

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kaz

普通のロックバンドでよかったと思いました

2004年9月4日に日本でレビュー済み

２～３年前、初めてGONGで入手した作品です。わけのわからないことやってないか少し心配したのですが、とても、かっこいいロックで安心しました。最初の「ドビ、ドビドーバ」とか最後の「セリー」と歌ってるのが、お気に入りです。この作品のあと出てくる「ティーポット」「ユー」に比べると、演奏のテンションがいまひとつかなとも思いますが、ソフツの好きな人であれば、気に入るのではないかと思います。

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緑川とうせい

フリーキーな音楽性

2011年10月28日に日本でレビュー済み

オーストラリア出身の流浪のヒッピー、デイヴィッド・アレンはイギリスに渡り、
ロバート・ワイアットやケヴィン・エアーズなどと交流、SOFT MACHINE誕生にも関わるが、
やがてバンドを離れたアレンはフランスを拠点に活動をはじめ、ゴングを結成、
独自のユートピア思想に基づいたサイケなジャズロックを作り出してゆく。
本作のサウンドは、ジャズロックを主体にしたフリーキーな音楽性で、のちの作品に比べると
楽曲としての構築性は薄く、その分自由度の高いこのバンドの本質が感じられる。

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Somebody of no consequence

Exploring without a map is inefficient, but efficiency isn't the goal

2023年7月4日にアメリカ合衆国でレビュー済み

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There are so many niche labels for so many niche subgenres of unusual rock offshoots that began to develop in the early 1970s beneath the surface that one can hardly keep track of them, and perhaps the challenge of labeling means that it is easy for fans of one label can lose track of bands they would like from another label despite sharing so much artistic DNA. Consider Gong. Regardless of how one labels them, they would sound as at home in Canterbury as in the France/Belgium zeuhl scene, or playing a RIO festival, or alongside Zappa, or any art rock, spaced-out, jazz outfit from California to New York. Whatever. Camembert Electrique, to the degree that they have an iconic album, shows the absurdity of trying to draw lines between these movements, such as they are, when the point was always drawing connections rather than ensconcing the music within a clearly defined tradition. One can hear equal parts the theatricality of a Henry Cow/Slapp Happy collaboration, a Zappa fusion album, psychedelic, and everything else progressive in 1971 that would have been called left of the dial before the phrase came to define anything (and to the degree that it meant anything in the group’s home?).

To be fully honest, Camembert Electrique does suffer from its scattershot compositions, in the same way that their contemporaries did, but that was the nature of looking at rock as it was in 1971 and asking, what else is there? Where do we go from here? It was just two years after Miles put out his own special brew and in that context, fusion was defining itself in some specific ways around that early set of albums, but for those who wanted to say, OK, great, but what about going more out there? Not even just in the avant-garde jazz sense, but in the sense of combining ideas, there was no road map. When you travel without a map, you do not take the most efficient route, but efficiency isn’t the point, then, is it?

So yes, Camembert Electrique is inefficient. It is scattershot. It is messy, and disjointed, and its seams show, and the group did not appear to have any clear sense of destination, except that they wanted to go somewhere different and most importantly, somewhere that felt different. So they did.

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Peppermaz

Très bel album !!!

2022年11月11日にフランスでレビュー済み

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J'aime beaucoup cet album !!!

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Amazon Customer

Great!!

2016年9月20日にカナダでレビュー済み

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Due in october! Got it september 19!!! Great!!! Just amazing!!!

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Jules

Gong man, far gong

2008年3月20日に英国でレビュー済み

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This album had just been released as I entered High School. I remember it fondly and so had to get a CD version. My father called it 'Hippie Music', making the phrase a term of abuse. It may be hippie but the music doesn't abuse anything. Rhythms and themes are strong and Gilli Smyth's ethereal murmurings evoke the spaced out texture of the music.

And not far from the surface there is great musicianship: As a jazz devotee I realise why I enjoyed (and am enjoying again) it so much; this is free jazz-rock ... and really good too! No surprise that the talented Theo Travis (sax) plays in the latest incarnations of the band.

If you remember this album and feel the urge to acquire more Gong I would certainly recommend 'Egg' and 'You' - they take the jazz to a more even-handed level but are immensely enjoyable and funky.

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luigi Sacellum

Ottima ristampa gatefold

2020年1月6日にイタリアでレビュー済み

Amazonで購入

Canterbury prog Rock/space rock. Album che da inizio alla mitologia gong, con Daevid Allen alla chitarra. Lato A con un sound psicadelico, mentre il lato B , più musicale che, si avvicina alla seguente iconica triologia.
Bellissima ristampa gatefold, con inserti dei testi. Ottima incisione, album arrivato in ottimo condizioni, spedizione prime sempre al top.

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Camembert Electrique

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