ベートーベンの時代はメトロノームの考え方が今と違っていて、今は振り子片道で一拍ですが当時は往復で一拍だったと。だから、本当の速度は皆さんが弾いている速さよりもずっと速いんだと、聞いたことがあります。
また、楽譜は見ていませんが、解釈には多様性が認められるはずで、実際ベートーベンのピアノソナタなどでも過去から現代まで種々の解釈があります。
そんなことを考えると確かに速度は速く(特に第四楽章)、終電に間に合わなくなるから巻き入れてやってまーす、みたいなところも確かにありますが、グールドほど極端でもなく、急緩が逆転しているわけでもないので、十分に許容範囲内の演奏だと思います。逆に言えば、団員達を説得できて凄い、と言えるかも(笑)。器楽曲のような個人演技なら個性全面丸出し可ですが、オケでは難しいですしね。
と言うわけで、私はこんな解釈もあるんだなぁ、既成概念を棄てようとしてるんだなぁ、と言う風には思いますが、間違った演奏とは決して思いません。