73年、サードソロアルバム
ベルリンを舞台に、娼婦キャロラインが織りなす悲恋。
一曲一曲にストーリーがあり、いくつもの性的な倒錯が重なり、
破滅に向かうストーリー仕立てがよくできています。
スティーブ・ウィンウッドなど参加ミュージシャンもよく、
語るように歌うルー・リードの歌唱もいい。
ブックレットのデザインも凝っていて、アルバムとしては星五つです。
聞いてみたいと思われる方は、是非、対訳や解説を手に聞いてみてください。
ということで作品としては星五つなんですが、
性的な倒錯はなじみにくいとしても、
三角関係などはありそうなのもので、
人生ってもっとステキなはずよ、こんなのウソよ、とか
彼女の瞳は涙でいっぱいなのに、
自分にとって都合がいいなら、その方がいいとか。
ルー・リード自身の経験や周りの人が影響しているのか、
歌詞がやたらリアルで。
8分近くある子供たち、ザ・キッズは、
最後は聞いているのが痛々しいほど。
一緒にいても幸せになれない関係にしがみついたり、
しがみつかれて破滅していく過程がわかりやすくリアルで、
胸を打つというより、締め付けられるよう。
なので、作品としては星五つなんですが、あまりにも痛すぎて、
好きで聞き続ける、というタイプのアルバムには、なれないかもしれなくて。