元々バラバラな音楽性を持っていたメンバーに長い沈黙は軋轢を生んでしまった。
初期では殴り合いのケンカもあったという中
そのバラバラの価値観の化学反応が個性的なサウンドへの
根源となっていたが、彼らの成長はついにバンドに余るようになっていった。
約1年ぶりの活動再開。ニューアルバムに向けて用意された曲は
メンバーの許容から外れ、ことごとく削られていったそう。
そんなすれ違いの中、脱退をほのめかすメンバーも現れ最終的に解散が決まる。
話し合いの結果アルバムは完成させる結論に達し、このアルバムが出来上がった。
歌詞はそんな心情をリアルに描写した内容も多く、解散という現実を感じさせる。
インディーズでのイメージアルバムに収録され、ライヴの定番曲であった"NERVOUS"が新録。
ラストシングルとなった"種"はこのような状態を考えれば奇跡のようなクオリティーを誇る。
"輪舞 ~ロンド~"はたまたま室姫が爪弾いていたフレーズに対してリズム陣がセッション的に
加わっていったインスト曲。
ラストの"Nervous 「91-95」 & Dub II"はKyoが今までの曲をフィードバックさせたミックスを
作ってほしいと依頼されたYukihiroによって手がけられた曲。
こういった曲の経緯を見ていると、やはりギリギリのところで作られた
アルバムという事が伺える。
しかし、削られた中残された曲はまだ先を見据えられる物もあり、
上手く消化できていれば新たな境地を開けていたのではないかという
気がして残念でならない。
このアルバムがリリースされた翌月、Die In CriesはLast Liveという最高傑作を残し解散する。