地味に静かに淡々と進むが、実に奥が深い映画である。観ているときより、観た後にじわじわと感慨がわいてくる。
18世紀フランスの話だが、中世から続く歴史の長いカトリックの修道院という世界は、多くの小説、映画にもあるように、閉ざされた世界であるが故に、「尼僧ヨアンナ」のような、われわれの想像を超えた事実も多くあっただろうことは、容易に想像できる。この映画はVHSの時代から見ているが、ブルーレイになり高画質で見ると、より一層リアル感が増し、あらためて名作であることを実感する。ただしエンタメ映画、興味本位の映画ではないから、それを求める人には向いていない。