高座に上ると「野ざらし！」「がまの油！」と声がかかったといわれる三代目（本人自称。実際は五代目）の名人柳好。特に「野ざらし」のリズミカルな話っぷりは、何度聞いても聞き惚れる。八五郎が先生の話に突っ込みを入れたり、さまざまな鐘の音の声色をしたりするシーンが秀逸だし、もちろん向島の釣り人の中での大暴れが笑える。サゲまで演じていれば星５つなのだが、この内容でも志ん生や文楽の落語協会に伍して、芸術協会の大看板であったことが偲ばれる名演だ。そして、柳好のもう一つの十八番「がまの油」に加えて、八代目柳枝の律儀で気配りのある名演「花色木綿」が収録されており、お買い得。昭和二十年代から三十年代の落語黄金期に欠かせない噺家二人、聴きごたえあり。

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落語蔵出しシリーズ(6)野ざらし/ガマの油/花色木綿

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