人との繋がりをどう築けば良いか深く考えさせられた一本だった。
主人公の初老の男は落ち目の番組司会者。しかしプライドは全盛期のままを保っていて、超見栄っ張り。
この欠点に対して、周囲はどう向き合えば良いのか。
この男以外の二人の登場人物が対比的に描かれていて感慨深い。
欠点を修正しようとしたのか、欠点を自覚させようとしたのか、女は欠点を指摘した。
その結果、二人の仲は破壊された。
片や、非常に痛ましい形で欠点が露呈されたが、相棒はその欠点を静かに受け入れた。
その結果はラストシーンに現れる。
女とのやりとりの演出は切れ味抜群であり、さすがルコントと唸らされる。
男を傷つけたことに気づいた女が何とか回復を計ろうとしているところに
「もう手遅れだ。一人にしてくれ。」
覆水盆に返らず、という奴ですかね。難しいもんですな、人と人とは。