勅河原宏という映画監督がいた。亡くなって 数年経つ。
もともと草月流の家元である。生花が専門なのだろうが 映画を幾つか監督した。代表作は「砂の女」なのだと思う。晩年は「利休」や「豪姫」なども製作し 生花のセンスを生かした映画も造った。
そんな彼の作品に ドキュメンタリー映画「アントニーガウディー」がある。言うまでもなく バルセロナを中心としたガウディーの建築物の映画だ。その映画の「音」を担当したのが これも今は無き武満徹である。
その武満の音楽は素晴らしかった。武満のインタヴューを読むと カタルーニャ地方の古謡から題材を得たという。そんな縁でこのCDを買った。もう10年以上前のことだが。
カタルーニャの古謡は ゆっくりとした旋律だ。休日の朝に聴いているとほっとする。武満も かような音楽に身をゆだねたのだと思いながら。