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現在アメリカでもっともアイディアが止まらない勢いで吹き上げ続けるジャンク・カップル、ロイヤル・トラックスの1年ぶりの新作。とはいえこの2年ほどでオリジナル・アルバム3枚、2枚組のライヴ、シングル、レア曲集、おまけに素晴らしい内容の5曲入りEPが4ヵ月ほど前に出たばかりなのだから、ジャンクどころか“働き者”と看板を書き換えなければならない(アダム&イヴ名義のプロデュース活動もあったっけ)。 スタイルに捕らわれず、変幻自在に興味のおもむくまま自分たちの色に塗り込めていくのが、文句なく格好いい。本作でも壊れてズブズブになったマーク・ボランから、ジョーン・ジェットとキム・ゴードンが喧嘩しているかの激しいナンバー、NYオルタナ流ラテン・ビートなどがぎっしり詰まっている。ヨタヨタ、ヘロヘロな奥に流れる三流探偵小説風ロマンティシズムに驚かされたりも。林檎ファンもいける、と思います。 (大鷹俊一) --- 2000年06月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)