KICC-245 驚異のベース軍団。衝撃の日本デビュー盤。
え? これがコントラバス? 一見無愛想で大柄な男が、思いのほか身のこなしの軽い踊りを披露し、歌もしっとりとセンス良くてうまかった、みたいな驚きがここにはある。とぼけたユーモア、ファンキーな腰のくねり、粘るような歌とビート感。あるいは、中近東風の香り、ブルガリアンヴォイス風のハーモニー、古代ギリシャ風持続低音。コントラバスの可能性を1曲ごとに再認識させられる、多彩なオリジナル・ナンバーが並ぶ。この大きくて重たい、往々にして音痴でリズム感の悪い弦楽器への先入観は完全に覆される。縁の下の力もち的イメージのコントラバスが、ここでは立派な主人公。時には楽器を横に寝かせ、どんな方法で、ボディのどこを叩き、こすり、はじいているのかは想像するよりほかないが、あらゆる音色を駆使して、コントラバスの生き生きとした素顔を聴かせてくれる。何よりもリズムが生きている。ライヴでは、演技も振り付けもあるというから、さぞかし楽しい舞台なのだろう。 個人的にお気に入りは6曲目の「ポンプ」(“華麗”の意)の前半部分。グラスハーモニカをほうふつとさせる倍音は、くもりガラスの向こうの夢の都パリのように淡く光る。どの曲も、フランス人のアンサンブルらしく、しゃれた雰囲気が漂っている。最後の「シンプル・ライフ」は、わずかに泣きの入ったピチカートが心に沁み、静かな大人の孤独に浸ることのできる名曲だ。(林田直樹)
クラシックのコントラバス奏者6人組、オルケストラ・ド・コントラバスのアルバム。クラシックとジャズをブレンドした音楽、全9曲を収録。 (C)RS
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