黄金の月 スガ シカオ (1997) all songs written & produced by スガ シカオ
1.SWEET BABY, Half
2.黄金の月
3.これから むかえにいくよ
97年リリースのセカンド・シングル。 同年発売された デビュー・アルバム Clover に 収録されています。 【1】 は Full Size と 銘打たれたヴァージョンで収録。 【3】 は デビュー・アルバムには 未収録です。 私は 自分の気に入った曲しか熱心に聴かない。 流行歌に惑わされる事なく 自分の感性に触れる曲しか聴かない。 若い頃は 邦楽の何年も先を行く 洋楽を聴いていたので 耳は肥えています。 良い音楽を 聴き分ける能力には 長けているつもりなんですよ。 そんな私が ある日 彼の 【2】 を 何の気なしに耳にし 一瞬で引き寄せられてしまいました。 当時のヒット曲や 話題の楽曲が 絶え間なく流れてくる有線で 私は この曲と出会った。 魅惑的なメロディ。 シンプルに聴こえるようで 計算されたセンスの良いアレンジ。 切なさを 滲ませるシュールな詩。 私には 寒い夕暮れの空を思わせる。 陽が沈み 微かに残った夕暮れに 藍色の夜が被さって その上のほうに輝く星たちと 月。 寒そうに肩を すぼめて高台を歩く。 そんな絵が浮かんできます。 因みに 今回レビューを 書くにあたって 初めてシングルのジャケットを見たのですが・・・ ビックリしましたね。 あまりにも 私が楽曲から感じ取ったイメージに近かったので (笑) 彼の名前こそ聞いた事は ありましたが 楽曲を 聴いた事は ありませんでした。 ノー・マーク、 ノー・チェックだった彼の一撃に ヤラれたワケです。 この曲に魅せられた私は 迷わずデビュー・アルバムを購入。 メジャー・デビュー・シングルを 含む シングル 3曲を 収録し 元・BARBEE BOYS の 紅一点、 杏子を ゲストに迎えた楽曲などを 収め なかなか充実した内容だったが とにかく 私の興味は 【2】 に 集中。 何度も繰り返し聴いて 最後には 歌えるようになってしまった (笑) 久しぶりに カラオケ・レパートリーへの新加入でした。 それほどまでに 私にとって 【2】 は 衝撃的でした。 ミーハーな邦楽も 捨てたモンじゃないと思いましたね。 彼が注目されるのは SMAP が 発表した 「 夜空ノムコウ 」 への 楽曲提供 (作詞) からですが すでに デビュー時に このような名曲を 作り出していたとは。 この新しい才能の登場で 邦楽界は またひとつ向上したに違いない。 サザンの桑田さんや ミスチルの桜井さんが 邦楽のレヴェルを 上げたように。 当初から 彼は 自ら楽器を 演奏し アレンジを 手掛け プロデュースも担当して そのマルチな才能を 披露していました。 その後も良質なアルバム、 魅力あるシングル等の作品を 送り出し 現在も一流のアーティストとして活躍していますが 私は 未だ 【2】 に 照らされたまま。 この曲の持つ雰囲気やグルーヴは 悲しいかな この時点での彼でしか表せない ”才能 ” の 形跡だと思うのです。