ピリオド系の演奏も含めて十数種聴いたが、この演奏の持つ自由さ・シャンパンの泡のような華やかさ・ほとばしる生命感は、かけがえがない。
ホロヴィッツが採用したブゾーニのカデンツアも、「これしかない」とおもわせる。
軽快なテンポで遊ぶ第1楽章が、とてもすばらしい。
よく耳にする演奏より速いのだが、ピアノが入るとホロヴィッツの演奏ならこれが適切だ、と思わせる説得力がある。
カーゾン、ハスキル、ミケランジェリ、ルービンシュタイン、内田さん・・・さまざまな演奏を楽しんできた方にも「もうひとつ、これも」とお勧めしたい。
(23番協奏曲についてのレビューです)