ボロディンの『イーゴリ公』といえばだったん人の踊りが有名ですが、
これはそれのみならず、マイナーとも言える序曲であったり劇中の歌曲が収録されていたり、
内容としては満足のいくものでした。
演奏面で言えば、個人的には聴くのが少し辛かったです。
序曲に限定してしまえば、演奏内容と楽譜に書かれていることが一致してなかったりしてます。
指揮者もだいぶテンポを揺らしていたりしていて、酔いそうでした。
また故意に音を割ろうとしているのではないかと思われるくらいのゴリゴリした演奏です。
もちろん好みはあるのでしょうが、私はあまり好きではなかったですね。
比較して「だったん人の踊り」は、合唱が入っています。
こちらは劇中の高揚感を感じさせる演奏で、臨場感あふれるものでした。
合唱ともうまくマッチしていて、
とりわけ声楽を勉強されている方やオペラに興味のある方はいい素材になると思います。
序曲の演奏クオリティは何だったのかと思わんばかりに、いい演奏をしています。
かといって序曲の演奏レベルが底辺かといえば、それは違います。
プレイヤー個々の技術は高レベルですし、本当に素晴らしいと思います。
CDに同封されているブックレットには、曲目解説はもちろんのこと
作曲者の成り立ちまで詳しく書かれています。
また詞訳も掲載されており、こちらは大変便利でした。
CDは2枚組で、楽曲ごとに演奏者が異なります。
好き嫌いの分かれる盤だと思いますが、
2枚組でこの値段だと安いくらいだと思います。
試聴できないのが大変残念ですが、
興味を持たれた方は購入してもいいんじゃないでしょうか。