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95年のデビュー以来、ジャズのようなブルースのような、また時には昭和中期の歌謡曲のような独特のムードを持ち味に、じわじわと音楽ファンの支持を増やしてきた小島麻由美の、これは1年9ヵ月ぶりのサード・アルバム。今回まず言えるのは、初のセルフ・プロデュースということだろうか。今までも、もちろん作詞・作曲はすべて彼女自身だったし、一部の楽曲ではプロデュースもしてきた。だが、全面的に編曲も含めてすべて自ら手がけるのはこれが初めて。いわば“独り立ち”したという意味では、これがファースト・アルバムということになる。そしてどこが変わったか。そのセルフ・プロデュースゆえのことかどうかはわからないが、前作に比べると音数も少なくなり、その分すっきりして少し大人びた印象がある。前作は音数も多くカラフルでハデだったので、言い換えれば今回は地味と感じる人もいるかもしれないが。だがシンプルな分、たとえばピアノをはじめとするキーボードの音や、楽曲によってはギターの音など、使われる楽器の音の粒も引き立ち、また彼女のヴォーカルもより浮き上がって聴こえる。歌われていることは、デビュー当時から子供っぽい作品があるかと思うと、とても大人っぽいものもあって、その両極を持ち合わせているのが彼女の不思議な魅力だった。それは今回も変わらず、“ショートケーキをサッと食べよ”などというかわいい曲もあるが、反面、結婚を題材にした作品が2曲もあったり、「やられちゃった女の子」などというドキリとするタイトルの曲があったりと、全体的に大人びた歌詞が増えてきたように思う。ちなみに彼女のデビュー・アルバムは『セシルのブルース』、そして今回の先行シングルが「セシルカットブルース」。ときて、アルバムが『さよならセシル』。何度となく“セシル”がキーワードのように出てきていた彼女の世界だが、それが今回は“さよなら”ときた。その意味するものは何か。セルフ・プロデュースによる“自立”で、過去と決別という意味か。少し気になる。 (角野恵津子) --- 1998年07月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)約1年9ヵ月ぶりとなるセルフ・プロデュースの3rd。ブルース,ムード歌謡,バラードなど,さまざまなスタイルの曲を物憂げに歌いこなす彼女には,聴き手を耽美の世界に引きずりこんでしまう不思議な魅力がある。シンプルなアレンジの背景には毒も……。 -- 内容(「CDジャーナル」データベースより)