BONNIE PINKがまだBonnie Pinkだったころ、デビューから修行渡米まで、1995年から1998年までのポニーキャニオン時代の3枚のアルバムとシングルから、日本語歌詞の曲を集めたベスト。
収録曲の内訳は、1枚目「Blue Jam」から3曲、2枚目「Heaven's Kitchen」から4曲、3枚目「evil and flowers」から3曲、アルバム未収録のシングルが4曲、それに未発表が1曲。全15曲のうち、10曲がトーレ・ヨハンセンのプロデュース。
結局、このアルバムを一番よく聴く。彼女の場合、個人的には日本語の歌詞の方がより繊細でオリジナルな世界が描けるように思えるし、何より、無我夢中で制作していたい違いないこの時期の彼女の音楽には、独特の香気を感じる。
逆説的に言えば、オリジナル・アルバムではトータルなイメージが(多分、寡作故に)弱く、曲の寄せ集めのレベルを大きく超えていないということかもしれない。
洋楽的なグルーヴ感(おそらくそれで歌詞に英語が必要になる)が持ち味とはいえ、流行を追いかけたところのないオリジナルな音楽だから、10年以上経ったいま聴いても決して古びてはいないと思う。「金魚」を聴いたときの衝撃は、いまでも決して薄れていない。これは、最近のBONNIE PINKしか知らない若いファンにもぜひ聴いて欲しい。