ニッポン放送の音源のもので,昭和31年から昭和35年までの最高潮の時期の話術が聞ける。録音状態もけっこうよいのがうれしい。「火焔太鼓」はもちろんだが,「らくだ」や「文違い」の心理描写にうならされる。そして「大津絵」など珍しい録音も入っている。自在なテンポ,本能的ともいえる間(ま)の取り方,聴くものを快楽の波間に漂わす天才的な語りをあらためて聴くのも一興だ。 -- 内容(「CDジャーナル」データベースより)