ミュージックマガジンの2010年4月号での坂本真綾特集でこの盤の存在を知った。オリジナルアルバム/シングル以外の彼女の仕事を紹介してるページの中でも、一際目を引くジャケットに「うわー、何これ」と思っていたのだが。
You Tubeで実際に曲を聴いてみるとジャケットのイメージとは180度異なる何とも味わい深いシンフォニックなバラードで。「割と地味かも…」と思いながら聴いてると3番のサビで涙腺が崩壊するという。かなり「じわじわ来る」タイプの佳曲。正直、個人的に『夕凪LOOP』に収録されてる当たり障りのない何曲かよりはずっと好き。アレンジをよりシンプルにしてボーカルを録り直したら『30 minutes Night Flight』に入っててもおかしくない感じ。「僕たちが恋を…」とか「NO FEAR/あいすること」にも通じる印象で、もしかすると管野センセイとのコラボを解消して以降の彼女の作風を先取りしていた楽曲と言えるのかも知れない。
リリースは99年11月という事で、『プラチナ』と『ハチポチ』の間ということになる。ビクターではなくPONY CANYONからのリリース。キャラクター名義なので普段の彼女のボーカリゼーションとは若干印象が異なる。ジャケのイラストの女の子(桂木萌)の声をアテていた訳なのだが、「赤縁メガネwマリと被ってるやん」、と。
「地球少女アルジュナ」絡みの『サンクチュアリ』や「Wolf's Rain」絡みの『Tell Me What The Rain Knows』とかと並んで、坂本真綾フリークになりつつある者にとっては避けて通れない、でも定価で買っても聴く価値のある楽曲だと思います。