ピーター・フォンダは何故か日本では大人気。非常に評価の高い俳優だ。かく言う僕もその一人。しかし系列建てて作品を検証すると褒められた内容の映画は少ない。ただ突っ走って死んでいく、同じパターンの映画の繰り返しだった。これといった演技や台詞もなく役者としての技量は低いと言わざるを得なかった。だが流石に本人もこのパターンには限界を感じ役者としての飛躍を望んでいたと思われる。そしてそのきっかけとなったのがこの作品だ。
ちゃんとした台本、台詞、物語があり監督がいて、それに添って作品を作る。当たり前のことだがピーターの作品には欠如していた要項だ。気の向くままに無軌道に突っ走り死んでいくことは自由でも理想でもなく何の感動も意味も存在しないことにやっと気付いたようだ。
この作品自体はどーでも良い娯楽映画に過ぎない。飛べなくなったスーパーマン?元はインスマスの怪物?敵対する組織がドアーズ?トマトがあると超能力を無くす?全く必要の無いサイパンロケ。なんだかな~。
ピーターは雇われ俳優に過ぎないが彼の存在感は際立っている。役者として演技することに、観客に意味のある主義主張を訴えかけることの重要性に気付いた、その意味で重要な作品だ。この作品があったからこそ後の木漏れ日の中で、などの名作が出来た。この作品がなかったらピーターは今でも突っ走るだけのバイク映画を撮っていただろう。その意味で☆3つ。(作品自体はどうでも良い内容です)。