昔、アルフレッド・リードの曲を演奏したことがあるのですが、ここに収録されている10曲は、彼の1982年から1989年にかけて作曲されたもので、それらを集めたアルバムとなっていました。
吹奏楽の世界では、A.リードは神様のような人で彼がいなかったらウィンド・オーケストラのレパートリーは相当貧弱になったと思います。
演奏は日本を代表する東京佼成ウィンド・オーケストラですから、アマチュアの演奏者にとってはお手本となるでしょう。まして、1曲目の「ヴィヴァ・ムシカ!」は、御大フレデリック・フェネルの指揮ですから、素晴らしい組み合わせだと思いました。
「第3組曲(バレーの情景)」の「パ・ドゥ・ドゥ」「風変りなポルカ」のような愛らしい曲を聴きますと、演奏者の喜ぶ顔が目に浮かびます。メロディ・メイカーのA.リードの特徴がよく出ています。
「エルサレム賛歌」は素晴らしい曲ですね。骨太の構成で、アンサンブルの精度が試される曲でもありましょう。木管の音色の温かみと金管のリズムの歯切れよさがこの曲のモティーフでしょうか。パーカッションも含めて、テッティの響きの荘厳さに、A.リードの特徴が出ていると思います。これからも末永く演奏される曲だと思います。