本作は彼女のルーツともいえるブルース、リズム&ブルースに真面目に取り組んだ作品といえる。 前作とはうってかわってバックで使われるブラス類が印象的である。 1曲目のTRYから凄い迫力で2曲目のMAYBEは間違いなく名曲。3曲目ONE GOOD MAN以降も圧倒的なボーカルパフォーマンスは続き、特に7曲目のLITTLE GIRL BLUEは彼女の代表曲の一つと言ってもいい名唱だろう。 しかしロックをやってもブルースやリズム&ブルースをやってもマッチさせるジャニスのボーカルは圧倒的。女性白人ロックボーカリストでは最高峰である。そんなこと言わなくても皆さんわかっているとは思いますが。
当時全盛期のソウル/リズム&ブルースの影響も大きい。オーティスレッディングが彼女のアイドルであったのは有名な話ではあるが、女性では特にアレサフランクリンとエタジェイムズという共にQUEEN OF SOULと呼ばれる2人の先輩シンガーの影響は多大であろう。サウンドにも表れている。 本作はまぎれもなくジャニスの名盤であり、おススメであるが、本作を好きな方は、是非アレサとエタの名盤も聴いてみて欲しい。ジャニスとの共通点は多くみつかります。特にエタジェイムズは歌い方もジャニスとクリソツです。ジャニスがエタにアドバイスを求めに行ったという話も残っていますからね。そういえばパールのリマスター盤のボーナストラック1曲目のライブでエタのカバー曲テルママやってますね。あ、白鳥の歌にも入ってるか。
以下ジャニス自身も聴いていたと思われるアレサとエタのおススメ盤をあげておきます。 アレサフランクリン「あなただけを愛して」「Lady Soul」 エタジェイムズ「Call My Name」「Tell Mama」 これらは2人の数多のアルバム群の中でも最高傑作と呼べるものです。 ◆66~68年発表のこれらのアルバムをジャニスが聴きこみ自身の血肉としたからこそ、本作という傑作が69年に生み出されたと言ってよいだろう。 本盤出だしのTRY~MAYBEはエタのTell Mamaの1・2曲目TELL MAMA~I’D RATHER GO BLINDを彷彿とさせますよ。