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ベートーヴェン:悲愴・月光・熱情

4.0 5つ星のうち4.0 30個の評価

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新品 中古品
CD, 限定版, 2009/4/29 限定版
¥6,530 ¥1,100
CD, 1989/6/21 通常盤
¥540

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曲目リスト

1 悲愴*ピアノ・ソナタ第8番ハ短調
2 月光*ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調
3 熱情*ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調

商品の説明

Amazonレビュー

「悲愴」というタイトルとはうらはらな乾いた感性が、グールドの持ち出してきたこの曲の解釈の核だ。冒頭に出てくるいくつかの和音からして、強調された低音の上に薄い音の層が乗っているような響き。どろどろとしたベートーヴェンが好きな人向きの演奏でないことはすでに明らかだ。そうした人々は、鼻にかかった甲高い声を連想させる軽めの音色にも不満を感じることだろう。しかし、おおげさでない演奏を求めるリスナーにとってみれば、この音色こそが好ましく感じられる。彼らなら、キリリと冷えた白ワイン、それも少しスモーキーで石の香りが混じった辛口タイプに似ているとでも言うだろう。

「月光」もまたドライな演奏である。第2楽章でのはねるようなリズム表現、大胆なテンポの動かし方などが興味深い。身軽で自由なベートーヴェンだ。以上2曲は、暗い部屋の中にいたベートーヴェンの曲を明るいところへ連れ出し、少しばかり運動をさせて健康増進のお手伝いをしてあげたような演奏といえるだろう。

しかし、最後の「熱情」だけは話が違う。ただでさえ想像力が豊か過ぎる人間に不安の種をこれでもかと吹き込み、憂鬱の極みに追い込んでしまったような演奏だ。まずは第1楽章の異常に遅いテンポ。重い足かせを引きずり、真っ暗闇の中を意味もなく歩き回っているといった風情だ。その抑圧的な気分は曲を通して続く。ちょっとグロテスクでもあるが、その分、前2曲の軽やかさが引き立ち、アルバムの構成上、おもしろい効果を上げている。(松本泰樹)

登録情報

  • メーカーにより製造中止になりました ‏ : ‎ いいえ
  • 梱包サイズ ‏ : ‎ 14.09 x 12.63 x 1.37 cm; 80.32 g
  • メーカー ‏ : ‎ ソニー・ミュージックレコーズ
  • EAN ‏ : ‎ 4988009293851
  • 時間 ‏ : ‎ 57 分
  • レーベル ‏ : ‎ ソニー・ミュージックレコーズ
  • ASIN ‏ : ‎ B00005GB4M
  • ディスク枚数 ‏ : ‎ 1
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 30個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4つ
5つのうち4つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2023年7月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本当はレコードが欲しかったのですが、それは不可能なこと、、それで、やっとこのCDを見つけて購入。演奏のことは、もう言わずもがなのこと。今は、BGMとしてこのCDを聴いています。
2022年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最初は驚きばかり。極端に早い曲、遅い曲あり。しかし作曲家の隠れた意図が見えるようで全く飽きない。暫くこのCDばかり車で聞いていました。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
このCD をレビューしようと第1楽章を聴き直していたところ,ベートーヴェンの交響曲第5番Op.67「運命」の冒頭,ダダダ・ダーン(♪♪♪')が聞こえてきます.第5のように破壊的にではなく,秘めやかに,です.これまでに熱情ソナタは何度も聴いていますが,この運命音階を私はウカツにも聴き逃していた(と思っていました).アシュケナージで「熱情」を聴いたときにも気がつかなかった.慌ててスコアを引っ張り出し,この楽章をみると,既に自分の書き込みがあり,運命交響曲などと該当箇所に走り書きしています.知っていながら忘れているなんて我ながら情けないことです.以下は,間抜けでアホウな私が新たな気持ちで「熱情」を聴き直した報告です.長くなりそうですから,結論を先に書いておきます.これは熱情ソナタと呼ぶことはできない.敢えていえば激情ソナタです.作曲者は激情に駆られて終には死んでしまう,そんな不吉な音楽です.月光ソナタがロマンティックなものでなく,音のない絶望の世界を描いたように,このソナタも月光と同様 の ‘death music’ だと,私は異論百出を承知の上で考えます.

第1楽章 Allegro assai
出だしから憂鬱な調子です.音階は静々と下降し,最深部に至って反転し,上昇します.なにやら不機嫌な,ぶつぶつ文句を言っている雰囲気です.この不機嫌音階をAとしますと,それに続く数小節は忍び泣くように聞こえます,高音部に装飾音を施してあるから,視覚的にも泣き声がスコアから読み取れます.この忍びなく音階をBとすると,この楽章はAとB,及びその変形で溢れます.で,肝心の運命音階ですが,第10小節をみるとBの後に,ここではまるで囁くように,♪♪♪'--- .まるで人目を憚るようにノックしています.ベートーヴェンは ’♪♪♪'’ を気に入りました.早速,第4ピアノ協奏曲Op.58の冒頭に静かに流用し,更に運命交響曲には,装いを代え,破壊的に用いました.叩き方はそれぞれ違いますが,皆ノック(knock)ですから,以後 K と略します.第10小節のKは泣きの音階Bを誘発し,BはまたKへと螺旋を描いて上昇し,フォルテの強打! --- .かくして泣きは怒りに変わり,強烈な和音が左右の手を交互に使って連発します.フォルテッシモで! ----- .その間,哀しみの音階Bを挟みつつザギザギとした音階(これを Z とします)を上下して凄い迫力です.ここにきてベートーヴェンは貯まっていたエネルギーを一気に解放しました.ところで,ベートーヴェンは何故このように泣いたり,怒ったりしているのか.答えは一つ.聴力障害の運命に哀しみ,かつ怒っていました.「運命の喉笛を掴んでやる」と言って,です.怒りの解放があった後,再び襲ってくるのは無音の世界でした.第24小節から始まる左手の単調なリズムは音なき世界に鎮座するベートーヴェンの後ろ姿を音で語っています.

第1楽章は結局のところ音階 A,B,K,Z で構成されています.そこに熱情といったポジティブな感情表現はありません.あるのは激情とその対の絶望です.グレンでこの曲を聴けば,私はそう感じます.彼の演奏はアレグロ・アッサイの指示に従っていません.極端にテンポが遅い.アシュケナージの演奏時間は9分41秒,一方グレンは15分01秒です.この遅さは異様です.この異様のために私はスコアに塗り込められた諸々が分かりました.グレンの叩くOp.57がなければ運命交響曲の母胎を知ることもなかった(かも知れません).

第2楽章 Andante con moto
グレンはまたしてもベートーヴェンの指示を無視しています.’con moto’ は動きをもって,というような意味合いですが,グレンのこの楽章に’con moto’ は感じられません,まるで葬送曲のようにゆっくり進みます.私はチェロ・ソナタ第5番(*)の第2楽章を思い出してしまいました.ベートーヴェンはひ弱な自分を葬送し,さっぱりケリをつけようとしています.その葬送の何と美しく響くことか.ベートーヴェンがこれを聴けばどう思うでしょうか.お主,やるではないか,とグレンを認めるでしょう.Op57 は ‘Death music’ ,ベートーヴェンはいっとき聴力減衰に苦しみ,自死さえ考えていたからです.アシュケナージの演奏時間は6分35秒,グレンのそれは倍近くの11分09秒でした.葬送は葬送するための時間を要求します.

第3楽章 Allegro ma non troppo
グレンの奏でるこの楽章に私はエドガ・アラン・ポーの短編,「メールストロームの大渦」を思い出しました.大渦に巻き込まれた小さなボートは凄いスピードで旋回し,内へ内へと引き込まれ,やがて船人はボートもろとも姿を消します.小舟の漕ぎ手は死んでしまった.後に空虚な静寂が残っている.そんな感じです.スコアを見れば,最終音はフェルマータで終わっています.つまり無音で終わる.ならば,ピアニストは一拍の無音を演出しなければならないし,リスナーも一拍の無音を聴き留めることが必要です.静寂を聴く.全ての終わり.この激情ソナタが無音に至るまでのスピードはアシュケナージはグレンに敵いません.渦の回転速度が違うのです.グレンは僅か5分25秒でした.一方のアシュケナージは2分以上も遅い7分34秒です.渦まく渦の迫力の差をこの数字は語っています.グレンのピアノは高速を維持しても一音一音くっきりと聞き取れ,乱れたり,ぼやけたりすることはありません.グレン,鬼神の如し!

いい曲の,いい演奏はリスナーの想像力を刺激します.グレンによるOp.57はその一例です.私は宝物を一つ得たと感じて,いい気持ちです.

ベートーヴェン:チェロ・ソナタ全集
16人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年5月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
例によって固い音。オリジナル楽器のようでロマン派に近いベートーヴェンのピアノ曲を聴いた気がしない。悲愴はまだ良かったが月光は速いテンポでムードが全くない。グールドはオリジナル楽器の演奏者と思えばよい。
2017年12月27日に日本でレビュー済み
ピアノ曲としてポピュラーなベートーベンの3大ソナタですが、ここでは才人グールドの個性が最大限に発揮されており、「おっ!こんな演奏が!」という新しい発見があると思います。「悲愴」はぞはアクセル全開の如きトップスピードの演奏で、ベートーベンがバイクにまたがり、フリーウェーを疾走するかのような趣です。「月光」は抒情性というよりも、きわめてドライで、カラスのかけらが月の光を浴びて輝くよう。そして「熱情」。ここでは前の二作と異なり、マグマがこもる如くにゆっくりと奏でます。この落差が面白い。
伝統ある演奏とは異なる一味も二味も違うベートーベンですが、だれもがなしえなかった新しい切り口を求めたグールドのスタンスは、発売から半世紀以上を経ても色あせることはありません。グールドの才能が味わえます。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2016年1月2日に日本でレビュー済み
人にとって芸術は結局、好きか嫌いかしかないが、私はこのCDは嫌いである。それはグールドのせいではなく、ベートーヴェンが嫌いだからだ。そのことを再確認した。ベートーヴェンは全く楽しくなく、居住まいを正して聴くことを強いられる。目をつぶって悦に入ったりする人の気が知れない。同じようなことをこれでもかと繰り返したり、音階の上から下までを何度も行き来する。オーディオ機器のチェックやピアノのチューニング確認用の音源のようだ。ベートーヴェンは暗くて熱すぎ。弦とパーカッションを組み合わせた鍵盤楽器、ピアノの限界に挑んだ功績はあるのだろうが。
2014年10月24日に日本でレビュー済み
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 同録音のCD の中では、この盤の音が良い。
 グールドには何の責任もないが、罪作りな演奏を収めたアルバムである。これを聴いて以来、他のピアニストの同じ曲の演奏が皆つまらなく聞こえる。所有している他のベートーベンのソナタのCDが、もう聴くことのない不用品になってしまった。
 それぞれの方には好みがあり、どのピアニストの演奏が素晴らしいのかは、聴く各人によって異なる。グールドの演奏が絶対的に最も良い、とは言えない。しかし、この演奏は私にとって衝撃的であり、一度聴いただけでその魅力の虜になってしまった。極めて個性的な解釈と表現が何度聴いても飽きさせない。超絶高速度の運指なのに一音一音くっきりと聞こえる。一方、ゆっくりとした演奏により、こんなメロディーだったのかと発見することも多い。
 皮肉なのは、こんな素晴らしい演奏をしておきながら、グールドは曲をかなり貶している。彼が書いたライナーノートを読んでから第23番などを聴くと、やっつけ仕事の演奏にも聞こえてくる。時々彼の歌声も聞こえるので、乗って演奏しているようでもある。  そんなことも含め、極めて面白い演奏のCDだ。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2011年5月20日に日本でレビュー済み
どの曲もテンポが速い
とても雑に聞こえる
好きにはなれなかった
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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