ライン川は直接この目で見たことがないが、この川をテーマとした作品をゆったりとしたテンポで演奏されると、悠然と流れる大河を想像する。
日本の河川は流れが急で、明治時代に来日した外国人が「川でなく滝だ。」と述べたほどである。やはり大陸の川はこのようなものなのかなと感じてしまう。チェリビダッケ自身が遅い目のテンポを好むこともあるが、その意味でもいい効果を上げている。
第4交響曲も、地についた堂々たるロマン派の音楽を好演していて、最後の拍手も暖かく感じられ、会釈を交わす巨匠のしたり顔が浮かんできそうである。