本アルバムは1978年にリリースされた、QUEENの7作品目のスタジオ・アルバム(Pt・SHM−CD)で、原題は『Jazz』となっている。70年代黄金期を構成する代表的アルバムの1つで、商業的には75年の『Night at the Opera』や76年の『(A) Day at the Races (Deluxe Edition)』等に次ぐ評価を得ており、77年の『世界に捧ぐ(紙ジャケット仕様)』(原題『News of the World』)や80年の『ザ・ゲーム (紙ジャケット仕様)』(原題『The Game』)辺りとほぼ同等と言って良いだろう。タイトルにある『Jazz』の字面通りの意義はアルバム構成(コンセプト)にはあまり反映されていないと言うべきで、ジャズ・テイストのナンバーは「Dreamer's Ball」(ブライアン・メイ)、「Leaving Home Ain't Easy」(同前)、関連してヒップホップなロック(フュージョン)・テイストの「Fun It」(ロジャー・テイラー)辺りが目に付く程度である。バラード・テイストの「Jealousy」(フレディ・マーキュリー)、ポップ・バラードな「In Only Seven Days」(ジョン・ディーコン)のほかは、「More of That Jazz」など(ハード)ロックが中心である。日本でも(CMソングで)お馴染みの「Bicycle Race」、ギターの演奏が殆どなくピアノ主体の(これもCMソングで有名な)「Don't Stop Me Now」などは改めて評価するまでもないだろう。個人的にはタイトルと構成の違和感が残るアルバムである。