ケルトミュージックの大御所であるドーナル・ラニーが、
いろんな分野で活躍している気鋭のミュージシャン達とのライブ・セッションによって作ったレコードです。
もともと私はホットハウス・フラワーズが大好きで、
ボーカルのリアム・オメンリィがメンバーの一人として来日するというのに惹かれて
ドーナル一座の公演を観に行きました。
きっかけがそんなでしたので、ドーナルに対する基礎知識など全くなしで会場へ出向いたのですが、
個々のミュージシャンの実力も、タイトでスリリングな演奏も、もうほとんどプログレかジャズに近いようなオリジナル曲も、本当に素晴らしくて、カッコよくて、いっぺんで虜になりました。
その時参加していたミュージシャンのCDなども買い集め、
その後に何回か来日した時にも友人たちを半ば無理やり誘って観に行き、
挙句の果てにはパブでのセッション(セシューンと呼ぶらしい)が観たいがためにアイルランドにまで行きました。
ドーナル自身もそうなのですが、
ケルト・ミュージックのミュージシャンたちは皆非常に楽器の腕が良く、
才能にもあふれているのに、スノッブなところが全くないのです。
とんでもなくハイクオリティな演奏をしているのにもかかわらず、
敷居はものすごく低い。
当たり前に、息をするように、歌い、奏で、踊る。
独特の熱くてクールな感覚、観客に対するオープンな雰囲気が素晴らしく、
余計なことを心配せず音楽の喜びに浸ることができます。
そういう彼らの特質は、のちにCDとして記録されたこのアルバムでも十分に堪能できます。
このアルバムが出てからすでに13年近くたっていますが、
まったく色あせていません。
ケルトミュージックというと、エンヤとか癒し系、ボワーンとした音楽というイメージをお持ちの方に聴いてほしい。
ロックやジャズ、クラシックなどの別分野の音楽を普段聴いている人にも、
きっと気に入ってもらえると思います。