子供の頃に映画館で視聴し、ビデオでも見ていた作品で懐かしさもあり視聴しました。
やはり大人の視点になって見返してみると色々な発見があって面白かったです。
当時からも今までのドラゴンボールの映画としては異色と言うか、ドラマ性に富んでいてストーリー重視の映画として注目されていたような気がします。
この映画の面白い所は大人と子供とで描かれていることが異なり、それぞれの役割を描写していていつもの悟空とは違った側面がみれる部分だと思います。
実質主人公のトランクスを始め、物語序盤からグレートサイヤマンと学生を両立させながら活き活きと過ごしている悟飯とビーデル。
そして大きな使命を背負いながら己の意志を貫こうとするタピオン。
映画の始まりからこの作品では子供の自主性が描かれ、大人はそれを後押しする描写が目立ちます。
バーベキューのシーンなどほっこりする場面も見所。
しかしながら、同時に大人の欲のために故郷を破壊され、才能があったがために勇者と讃えられながらも若くして生贄としてわが身を差し出した(多分地球人だと高校生~大学生くらい)タピオンと幼い弟という存在があり、また大人の都合により人生を狂わされていくという悲しいお話。
今回の悟空はそんな大人の身勝手さで傷つく子供たちを守り、大人としてのけじめをつけるために戦っているように見えました。
「俺がやらなきゃ誰がやる」=「大人代表の自分がけじめをつけなきゃ誰がやる」ということなのかもしれません。
子供の思うようにさせ、最後の責任は大人が取る。
そんな親として、大人としての悟空がみれる見ごたえのある映画です。