前作の4 Plugs までのアルバムからのベスト的選曲だが、全曲リミックスされており、曲によっては相当アレンジが変わっているので、ほぼ新作といってよい。音的には前作プラスコンピュータ、という感じだが、このアルバムでのコンピュータの使い方は相当格好いい。SEやドラムンベースも入っているが、メインはあくまで人間による演奏であり、コンピュータは黒子として生演奏の音を整形するために使われている。生演奏のグルーブを維持しつつ、過剰な熱を冷却するようにコンピュータが作用しており、その結果としての有機的グルーブとクールで無機質な感覚のバランスは奇跡に近い。リミキサーはBryan New という人らしいが、相当いい仕事をしている。
このアルバムのあと、バンドはデジタルロックを大幅に取り入れるようになり、売り上げ的には相当の成功を収めるのだが、個人的にはどうも子供っぽい感じがして、あまり好きではない。このアルバムがバンドの最高到達点だと思う。