40代の後半へとステップを踏み出した自分がこのアルバムに出会ったのは大学で4畳半1間で下宿していた頃だった。 当時、自分の意識の中に家庭教師等のアルバイトは若い時に生活費を稼ぐ為に選択すべき手段ではないというなんだか今考えると変な信念のようなものが存在していた。 その頃していたアルバイトは、精肉屋(京都の料亭に納入する職人が在籍している店)の丁稚奉公のような店員、東芝の工場、真夏のトレーラーの箱の中での家電製品の積み込み、催し物会場の設営等の肉体労働だった。 出かける前に聴いて自分を鼓舞していた歌詞とメロディーがこのアルバムに収録されている、ザ・ワーカーであり、ホリデイ、ブルーカラーダンサーである。
現在はいわゆるホワイトカラーと呼ばれるスーツにネクタイ姿で毎日、出勤する職業に従事している。 労働の質は変わっても、困難な仕事に立ち向かう際には魂を20代の純粋な気持ちに引き戻してくれる、男たちへの詩群だ。