実らなかった恋の歌。「…本当は誰にも渡したくなかった」、口に出せなかった想いを真っすぐに語る歌詞に、つぶやくように添えられた、「さくら さくら」の奥ゆかしい旋律。華やかなラップも、凝ったアレンジもない、静かな透明感に満ちた曲。まだ少し冷たい春の空気の匂いがする。キーオブライフって、こんな曲もやるんだなって、ちょっと新鮮な感じがした。弱点は題名だな。一時期結構かかった気がするのに、なかなか思い出せなかった。サクラ何とかじゃ駄目だったのかなぁ。
もう一つの「you can love」もソウルフルな歌声に心掴まれる名曲。ボーカルの一人、yasuhiro yu-kiこと、結城安浩は、現在、ESCOLTAのリーダーとして活躍中の実力派。2曲とも、ちょっとネガティブな内容の歌。なのに暗くない。優しく、力強さを感じさせる。不思議な美しさに胸をうたれる。
残念ながら、どちらもアルバムに収録されてない。他の4枚のシングル出の曲は、キーオブライフのアルバムに入らなかった物も、どこかしらのアルバムに入れてもらえてるのに、「Pain」だけ未収録なのが切ない。確かに、キーオブライフの一連の楽曲の中で、異色の存在かもしれない。でも、いい曲だから、聴いてみると、好きになる人も沢山いると思うんだけどなぁ。sarahの「くれない」や後藤沙緒里の「花いろ日記」などは、この曲の流れを汲む作品だと思う